副住職の1ヶ月日記

副住職の1ヶ月日記

令和4年5月

~日蓮聖人のお手紙より~
著(き)ざれば風身にしみ、食(くらわ)ざれば命持(たもち)がたし

= 共に生き、共に歩む =

自分のお金で食材を買い、自分1人で調理して盛り付け。「いただきます」と掌を合わせたとき、「自分で作った食事なのに、誰に対していただきますしてるんだろう?」と思ったことはありませんか?私たちは1人では生きていけません。食事も衣服も、自分以外の他の多くの人・多くのモノと互いに支えあって生きているのです。この「いただきます」の習慣はそれらとの深い結びつき(縁)を受け止めるという「感謝」のことばです。支えあっているのですから、こちらからの発信、つまり他のために尽くすという行為がなくては成り立ちません。それが回り巡って自分自身に還ってくる。つまり他のために尽くすことが、そのまま自分を助けることとなるのです。

自分1人の利に駆られて他を害するなど、結果的には自身を傷つけることになるのです。

令和4年4月

~日蓮聖人のお手紙より~
けわしき山あしき道つえをつきぬればたおれず

= 一人で抱え込まないで =

針に糸を通すのは中々大変です。針を固定して糸の先を穴に通していたら、「糸を固定して針を動かすほうが通しやすいよ」と、助言してくれる人がいました。

それ以来この方法で糸通しをしていましたが、細い針金を使った糸通しの道具を見つけました。これは便利です。

糸通しひとつにしても、やり方は色々あるものです。人生の様々な場面においても、解決策は一つではないと思います。

自分一人では困難なことも、他の力を借りれば乗り越えられる方策が必ず見つかります。

一人で抱え込まず、肩の力を抜いて、他に頼ることも時には大切なことではないでしょうか。

令和4年3月

~日蓮聖人のお手紙より~
世間の法には慈悲なき者を邪見の者という

先日、ロシアがウクライナに侵攻しました。どんな政治的理由があろうとも武力行為は容認されるものではありません。現地で恐怖と不安の日々を送っている人のことを思うと不憫でなりません。

仏教には「慈悲(じひ)」ということばがあります。

慈悲とは、「慈(いつく)しみ」の心と「憐(あわ)れみ」の心のことで、人として持たなければならない大切な心です。

いつくしみ とは、我が子を思うような深い愛情

あわれみ とは、他者の悲しみを思いやる感情

この慈悲の心が薄くなれば、人は自己中心的になり、邪(よこしま)な考えに陥ります。そんな人が増えれば、道理がとおらなくなり、社会は不安になります。社会が不安になれば、個々の幸せも実現しません。日蓮聖人は、世の中に背く人のことを「邪見の人」と言って、正しい モノの見方ができない愚かな人のことを示されています。

私たちは自分の中の慈悲の心と向き合い、他者の幸せを祈れる深い心持ちを抱きたいものです。ウクライナに一刻も早く平和がおとずれるようにお祈りします。

令和4年2月

~日蓮大聖人のお手紙より~
一日いちにちいのち三千界さんぜんかいたからにもすぎてそうろうなり
いのち三千さんぜんにもすぎてそうろ一日いちにちも生きてをはせば
功徳くどくつもるべし

昨年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されました。選手の活躍によって世界中の人びとが一喜一憂し、感動をもたらしてくれました。

わたしたちにとっての喜びとは一体なんでしょう?

家族の幸福でしょうか。いつも健康でいられる事でしょうか。愛する人と一緒にいられることかもしれませんね。

日蓮聖人は「今日生きたこと」は何よりも尊く、すばらしい事だと言っています。生きたことで徳を積んだことになる。その積み重ねの事を「功徳」と言います。

世の中に大変な日々が続いていますが「今日生きたこと」で「明日も生きてみよう」と自分に言い聞かせることで人間は成長していくものです。

令和4年1月

一心に仏を 見たてまつらんと欲して 自ら身命を惜しまず
「妙法蓮華経如来寿量品第十六」

新春を迎え、一家そろってお雑煮を食べ、初詣をするのは、多くの日本人の習慣になっています。これをしなければ、お正月らしくないという人が多いのではないでしょうか。

新年を無事に迎えることができるのも、絶えることなく生命を繋ぎつづけてくれた、多くのご先祖さまのおかげです。人として生まれ、今もこうして生きていることを深く感謝することで、1年の始まりとしたいものです。そのために初詣には、まず菩提寺をお参りし、お墓参りをして新年の始めとしましょう。

「一心」とは、自分の心を一つのことに集中すること。「身命を惜しまず」とは、精一杯に心と体で動くこと。初詣の際に手を合わせている時の私達の心のあり方、つまり素直な気持ちで「一心」に手を合わせる心が仏心であり、ひるがえってみればそれぞれの“いのち”を生かす原動力につながっていくことを忘れないよう過ごし、よりよい1年になるよう共に精進しましょう。